参考書が合わなかったので、ChatGPTとNotebookLMでITパスポートを勉強してみた

ChatGPTとNotebookLMを使ったITパスポート受験体験を描いた横長の水彩画風サムネイル。AI学習、音声教材、合格基準到達を表現している。 雑記

ITパスポート試験を受けてきました。

試験を受けようと決めたのは、だいたい1か月前だったと思います。最初は普通に勉強するつもりで、Kindle Unlimitedにあった参考書を開きました。

ところが、数ページ読んだところでどうにも合わない。

内容が悪いという話ではありません。単純に、私には合いませんでした。

文章を最初から順番に読んで覚えるより、問題を出されて、分からなかったところをその場で確認する方が頭に入ります。普段からChatGPTをかなり使っていることもあって、「これ、ChatGPTに問題を作らせればいいんじゃないか」と思いました。

試しにITパスポートの問題を作ってもらうと、直前に参考書で見たものとよく似たレベルの問題が出てきます。

これならいけるかもしれない。

せっかく受験料も払うので、今回は参考書を買い足さず、どこまでAI中心の勉強でいけるのか試してみることにしました。

とはいえ、ほとんど勉強していなかった

そこから順調に勉強したのかというと、全然そんなことはありません。

ちょうど自分で進めているサーバーやAIシステムの開発が面白くなってしまい、夜になるとそちらばかり触っていました。勉強しないといけないとは思いつつ、気が付けば試験日はかなり近づいていました。

本格的に「さすがにやらないとまずい」と思ったのは、試験の1週間前を切ったあたりです。

まとまって勉強した時間だけを考えると、実質的には直前数日の夜が中心でした。ただ、机に向かって何時間も勉強したわけではありません。空いた時間にChatGPTで何問か解いたり、別の作業をしながら音声を聞いたりという形です。

ここで役に立ったのが、ChatGPTに出す指示を途中で変えられることでした。

最初は「ITパスポートの範囲を広くカバーするように問題を出して」と頼んでいました。

試験が近づくと、「あと3日なので、頻出分野を優先してほしい」に変えます。

さらに試験当日には、「これまで私が間違えた分野は分かっているはずだから、頻出分野と私のミスが重なるところを優先して出して」と頼みました。

試験会場へ向かう直前まで、RTOとRPO、RAID、SQL、公開鍵暗号、損益分岐点、Scrumなどを一問一答で回していました。

紙の問題集でも復習はできます。ただ、自分が間違えたものに合わせて、その場で次の問題の内容まで変わっていくのはAIならではです。

NotebookLMで、自分用の音声教材も作った

もう一つ大きかったのが音声です。

私は以前から、音声コンテンツとの相性がかなり良いです。長時間聞いていてもそれほど苦になりませんし、一度聞いたものをもう一度流すことにも抵抗がありません。

試験の3日ほど前になって、NotebookLMで音声コンテンツを作れることを思い出しました。

ただ、ここで問題がありました。

NotebookLMに読ませる資料を持っていない。

参考書を使っていないので、元になるまとまった文章が手元にありません。そこで、その資料自体をChatGPTに作ってもらうことにしました。

「ITパスポート試験対策用に、NotebookLMで音声教材を作るための資料を作ってほしい」

という形で、試験範囲を分けながら何本か資料を作りました。最終的には5つくらいになったと思います。

それをNotebookLMに読み込ませると、1本あたり15~20分強くらいの音声になりました。

最初は通常速度で聞き、2回目以降は2倍速にしました。

20分の音声でも2倍なら10分程度です。作業をしながら何度か繰り返せます。すべて正確に数えてはいませんが、それぞれ3回前後は聞いたと思います。

これが思った以上に効きました。

そのあとChatGPTで問題を解いていると、

「あ、これ音声で聞いたやつだ」

ということが何度も起きます。

昔の通信教育のCMではないですが、「これ、聞いたやつだ」という状態。

ChatGPTが作った学習資料をNotebookLMで音声にして、その内容を聞いたあと、今度はChatGPTが似た概念を問題として出してくる。同じ知識に、説明と音声と問題という別の形で何度も触れられます。

私には、このやり方がかなり合っていました。

実際の試験では、ちゃんと抜けもあった

もちろん、うまくいったことばかりではありません。

むしろ実際に受験してみると、AI中心で短期間に勉強した場合の弱点もよく分かりました。

たとえば、関係データベースの「選択」「射影」「結合」。

これはほとんど対策していませんでした。

選択は条件に合う行を取り出す、射影は必要な列を取り出す、結合は複数の表を関連付ける、といった内容ですが、試験前のChatGPTとのやり取りではほぼ触れていません。試験では、なんとなく意味を想像しながら解くことになりました。

業務要件、機能要件、非機能要件も出ました。

Digital Twin、Digital Divide、Industry 4.0のような用語も印象に残っています。

さらに、英字3文字程度の略語もかなり多くありました。

知っていれば一瞬。知らなければ「これは何の略だ」と止まる。

このあたりは、ある程度は暗記量の問題です。

意外だったのは計算問題でした。

損益分岐点のような典型的な計算だけでなく、業務改善アプリを導入すると1件あたりの処理時間が何秒短縮され、年間何万件の業務があり、担当者の時給がいくらで、導入費がいくらなら費用対効果が出るか、といった実務寄りの問題もありました。

公式をそのまま当てはめるというより、

「1件あたり何秒減るのか」 「年間では何時間になるのか」 「それを人件費にするといくらか」

と順番に考えていくタイプです。

このあたりは、もう少し練習しておいてもよかった。

逆に、2進数の「10110を変換せよ」といった問題は今回は出ませんでした。ただしCBT方式なので、今回出なかったからといって出題されない分野だとは当然言えません。

AI関係の問題もいくつかありましたが、思っていたほどAI一色ではありません。試験範囲はやはりかなり広いです。

AIは弱点を追いかけるのは得意。でも「まだ知らない弱点」は見つけにくい

今回一番勉強になったのは、ここかもしれません。

ChatGPTは、一度間違えた問題を追いかけるのがとても得意でした。

私がIndexとForeign Keyを混同すれば、しばらくして表現を変えてもう一度聞いてくる。RAID 1とRAID 5を間違えれば、後からまた確認問題を出せます。試験直前には、それまでのミスを中心に問題を絞ることもできました。

一方で、そもそも一度も問題として出てこなかった「射影」については、私がうろ覚えだということをChatGPTは知りようがありません。

当たり前ですが、実際に試験を受けるとよく分かります。

AIは、見つかった弱点を潰すのは非常に得意。でも、まだ出会っていない弱点については弱点だと認識できない。

ここは、体系的な参考書や公式シラバスの強いところだと思います。

今回、参考書は自分に合わなくてやめましたが、「読むための教材」ではなく「試験範囲に漏れがないか確認するチェックリスト」として使えばよかったのかもしれません。

次に同じ方法で資格試験を受けるなら、公式シラバスをChatGPTに渡して、

「この範囲を全部一度は通過したか確認して」

とやると思います。

そうすれば、AIの個人最適化と従来教材の網羅性を両方取れます。

試験問題同士がヒントになることもあった

試験を解いていて面白かったのが、ある問題を解いたあと、その知識が別の問題のヒントになることがあったことです。

「あれ、この選択肢はさっきの問題の説明と矛盾するな」

という感じで候補を外せる場面が、少なくとも何度かありました。

単語を個別に丸暗記するだけでなく、それぞれの概念が少しずつつながっていたからだと思います。一問一答をかなり繰り返した効果もあったのかもしれません。

試験結果レポートでは、総合評価とストラテジ系、マネジメント系、テクノロジ系のすべてで合格基準を上回っていました。正式な合否判定は別途行われますが、少なくとも今回試した方法で、試験結果レポート上の基準には届きました。

満点ではありませんし、分からない問題も普通にありました。

それでも、参考書が続かなかったところから、自分に合う形に教材を作り直しながらここまで来られたのは、かなり面白い経験でした。

試験に出なかった「強化学習」が、先に自分の開発で役に立った

もう一つ、受験とは直接関係ないところで、勉強してよかったと思ったことがあります。

試験対策の中で、AIの学習方法として教師あり学習、教師なし学習、強化学習を改めて勉強しました。

Reinforcement Learning、強化学習。

行動の結果として得られる報酬をもとに、より良い行動を学んでいく考え方です。

AIには普段からかなり触っているので、言葉自体は知っていました。ただ、それを自分が開発しているシステムに使えるか、という視点では考えていませんでした。

ITパスポートの勉強で改めて整理したとき、

「これ、自分が作っているループシステムにも使えるのでは?」

と思いました。

そこでChatGPTと少し掘り下げて検討し、今後の開発で強化学習の考え方を取り入れることを、開発要件の一つとして入れることにしました。

結局、強化学習そのものは今回の試験には出ませんでした。

それでも、試験勉強で知識を整理したことが、先に実際の開発へ戻ってきました。

これは個人的にはかなり大きかったです。

ITパスポートは、思っていたより「広く知る」ための試験だった

受ける前は、ITパスポートに対して「ITの基本用語を覚える試験」という印象が強くありました。

実際に勉強して受験してみると、それだけではありません。

経営、会計、マーケティング、プロジェクト管理、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発、AI、DX、業務改善。

一つ一つを深く学ぶ試験ではありませんが、とにかく横に広いです。

普段仕事をしていても、自分の専門から離れた分野は意外と知りません。今回も、「言葉は聞いたことがあるけど、説明しろと言われると怪しい」というものがかなりありました。

会場には、大学生か、もしかすると高校生くらいに見える若い受験者もいました。

もし彼らがこういう知識を一通り勉強した状態で社会に出てくるのであれば、これから一緒に働く側も勉強を続けないといけないな、と思いました。

覚えた内容を全部ずっと覚えている必要はないと思います。

ただ、「こういう考え方がある」「こういう技術がある」と一度知っているだけで、必要になったときに検索できますし、AIにも聞けます。

強化学習が自分の開発とつながったのも、その一例でした。

そういえば、試験問題の中には「リスキリング」という言葉も出てきました。

資格を取るために始めた勉強でしたが、終わってみると、試験問題そのものよりそちらの方が印象に残っています。

AIがあるから、勉強しなくてもよくなるわけではありません。

むしろ今は、自分に合った教材そのものを作れるようになった。

参考書が合わなければ問題集を作らせてもいい。文章を読むのが苦手なら音声にしてもいい。間違えたところだけ何度でも出してもらえばいい。

学ぶための入口は、以前よりかなり増えました。

今回のITパスポート受験で一番得たものは、資格そのものよりも、

「自分はこうやって勉強すればいいのか」

という感覚だったのかもしれません。

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